【覚書】真宗大谷派僧侶の位と衣体標準色
「法要座次」・・法要などの時に、お内陣に座る時の序列格付け
- 初級 平座
- 二級 准本座
- 三級 本座十等から一等まで
- 四級 准上座四等から一等まで
- 五級 上座四等から一等まで
「大谷派教師の等級」・・・・各等級に相当する法要座次
- 入位・・・・・・・・・・准本座
- 満位・・・・・・・・・・本座十等
- 法師位・・・・・・・・本座九等
- 権律師・・・・・・・・本座八等
- 律師・・・・・・・・・・本座七等
- 権僧都・・・・・・・・本座六等
- 僧都・・・・・・・・・・本座五等
- 権大僧都・・・・・・本座二等
- 大僧都・・・・・・・・准上座四等
- 権僧正・・・・・・・・准上座二等
- 僧正・・・・・・・・・・上座四等
- 権大僧正・・・・・・上座二等
- 大僧正・・・・・・・・上座一等
「法要座次ごとに許可される衣体の色」
- 平座・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・黄梔子色(キクチナシ)
(一般衣体) - 准本座以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・浅黄色(アサギ)
(相当衣体) - 本座十等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鶸茶色(ヒワチャ)
(相当衣体) - 本座九等以上共通色・・・・・・・・・・・・・・白色
(相当衣体) - 本座九等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・萌黄色(モエギ)
(相当衣体) - 本座八等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・柳色(ヤナギ)
(出願衣体) - 本座七等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・濃桑色(コグワ)
(出願衣体) - 本座六等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・栃葉色(トチバ)
(出願衣体) - 本座五等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・薄木蘭色(ウスモクラン)
(出願衣体) - 本座四等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・裏山吹色(ウラヤマブキ)
(出願衣体) - 本座二等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・薄丁子色(ウスチョウジ)
(出願衣体) - 准上座四等以上(准上座共通色)・・・・薄栗皮色(ウスクリカワ)
(相当衣体) - 准上座三等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・薄早蕨色(ウスサワラビ)
(出願衣体) - 准上座二等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・若楓色(ワカカエデ)
(出願衣体) - 准上座一等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・櫨紅葉色(ハジモミジ)
(出願衣体) - 上座四等以上(上座共通色)・・・・・・・・本栗皮色(ホンクリカワ)
(相当衣体) - 上座四等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・桜木色(サクラギ)
(出願衣体) - 上座四等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・裏紅葉色(ウラモミジ)
(出願衣体) - 上座三等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・葉桜色(ハザクラ)
(出願衣体) - 上座三等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・莟菊色(ツボミギク)
(出願衣体) - 上座二等以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・紅松皮色(ベニマツカワ)
(出願衣体) - 上座一等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・黄菊色(キギク)
(出願衣体)
「一般衣体」・・・大谷派僧侶となった者に同時に許可される衣体
「相当衣体」・・・法要座次の進席許可と同時に許可される衣体
「出願衣体」・・・法要座次許可後、別に定めるところにより出願して許可される衣体
その他に「教師衣体」「学階衣体」「役職衣体」「褒賞衣体」がある。
それぞれ前法要座次よりの 法臈年数 | 法要座次 |
20 | 上座一等 |
15 | 上座二等 |
15 | 上座三等 |
15 | 上座四等 |
法臈年数 | 法要座次 |
70 | 准上座一等 |
65 | 准上座二等 |
60 | 准上座三等 |
55 | 准上座四等 |
50 | 本座一等 |
45 | 本座二等 |
40 | 本座三等 |
35 | 本座四等 |
30 | 本座五等 |
25 | 本座六等 |
20 | 本座七等 |
15 | 本座八等 |
10 | 本座九等 |
7 | 本座十等 |
5 | 准本座 |
最低 | 基準 | 年限/教師 |
7 | 10 | 僧正 |
7 | 10 | 権僧正 |
5 | 7 | 大僧都 |
5 | 7 | 権大僧都 |
5 | 7 | 僧都 |
5 | 7 | 権僧都 |
3 | 5 | 律師 |
3 | 5 | 権律師 |
3 | 5 | 法師位 |
3 | 5 | 満位 |
コメント ( 26 )
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はじめまして。私は真宗大谷派の寺院の長男です。現在は大学3年生です。
法要座次、一般衣体の記事を読ませていただきました。副住職様の阿弥陀如来様・祖師聖人に対する崇敬の念がひしひしと伝わってきました。また、声明・作法にもとても気を配ってらっしゃることが伝わってきます。
わたしは、法要座次など勉強不足です。そこで伺いたいのですが、平座から准本座など法要座次を上げていくのにはどのようにしたらいいのでしょうか?ご回答よろしくお願いいたします。
ご回答はメールアドレスに送ってくださると幸甚であります。
こんばんわ。
はじめてコメントさせていただきます。
現在、大学4年生です。わたしは二男の為、すぐに自坊に帰らず大学院に進むことになりました。
大学で教師資格を補任されるための講義を受け、修練も済みましたので、卒業と同時に教師資格が補任されます。
ここで質問なのですが、教師資格の位をあげるためには具体的には何をしたらいいのでしょうか?法要座次の場合、本山に出仕することが必要ですが、教師資格もおなじなのでしょうか?
大学在学中に出仕をしましたので、いまは「本座七等」です。
いつも勉強させていただいております。
今回は、教師資格のことに伺いたく思います。
法要座次の場合、本山での出仕をして、その後しかるべき部署に提出するということですが、教師資格の場合はどうなのでしょうか?
法臈加算申請のみで教師資格の進級はあるのでしょうか?
講習会などに参加することで進級できると聞いたこともあるのですが、どうなのでしょうか?
お答えいただきたくよろしくお願いいたします。
こんにちは。
教師についてですが、法臈加算の対象にはなりません。
年数を満たせば教師陞補対象の研修会の受講証を添付し申請できます。
年数は下記の通りです。
その教師になるための一つ前の教師からの年数です。
カッコ内はその功章旌賞があった場合の年数です。
僧正 七年
権僧正 七年(特旌五年)
大僧都 五年(一功四年)
権大僧都 五年(二功四年)
僧都 五年(三功三年)
権僧都 五年(四功三年)
律師 三年
権律師 三年(六功二年)
法師位 三年(七功二年)
満位 三年(八功二年)
本年もよろしくお願いいたします。
先日のご回答ありがとうございました。
今回は教師補任のための許可について聞きたく存じます。
わたしは卒業と同時に、「僧都」が補任される予定です。また、在学中に本山に出仕を重ねてために、准上座三等まで法要座次をあげられることが先日判明いたしました。
准上座三等、僧都という位置になります。
法要座次は本山に出仕をかさねて、これからも精進していきます。
そこで伺いたいのは、上座四等以上から、教師の位「大僧都」などのほかに、特殊功賞や一等旌賞などをいただく必要があると伺いました。
これらの〇〇賞というのは、どのようにしたらいただけるのでしょうか?
本山に対して功労があった方に贈られるものなのでしょうか?
ご回答よろしくお願い申し上げます。
はじめまして
大谷派教師ですが、卒業と同時は入位です。
その半年後に僧都です。
所定の年数が経ち、研修会の受講証を添えて申請すれば教師は上げられます。
法要座次は得度してからの年数(法臈)が基本です。
準上座一等までは本山出仕の法臈加算も合わせて合算が可能です。
上座以上は一つづつしか上げられません。
功章旌賞は教師であれば、申請できます。
説明が不十分だったので補足です。
法要座次を上げるには、法臈による既満進席と
法臈とは関係なく上げることができる未満進席があります。
未満進席の場合は教師や功章旌賞などが必要になる場合があります。
例えば上座四等になるには権律師以上の教師と第一功章・一等旌賞が必要です 。
第一功章・一等旌賞には準上座一等が必要です。
上座三等には権僧都と第一功章・特殊旌賞と上座四等の出願衣体五条
上座二等には権僧正と特殊功章・特殊旌賞と上座三等の出願衣体五条
上座一等には僧正と特殊功章・特大旌賞と上座二等の出願衣体五条
という具合に進席条件が満たされれば、法臈では一つあげるのに15年とか20年かかるところを短縮できます。
ご回答ありがとうございます。
功賞・旌賞をいただくために、なにか特別に宗門に対してしなければならないことはありますか?
または、一定の金額を収めることでいただけるものなのでしょうか?
ご質問の件ですが
功章旌賞でも法要座次でも直接必要なのは
教区ごとで定められた教区冥加金などの申請料のようなものです。
宗門に対して必要なことは、
宗門護持のために経常費(相続講金)を毎年収めていることです。
この相続講金の額が収納証として通常五年分まで積み立てられていきます。
功章旌賞が申請されると決められた額が収納証から消し込みされていきます。
足りなければ申請できないので、納証が積み立てられるまで待たなければなりません。
門徒戸数調査が行われ、戸数によって経常費が割り当てられいる状況だと思います。
門徒戸数が多い寺は自ずと経常費は多くなり、法要座次などを上げやすい仕組みになっています。
補足です。
本山経常費は寺院に対して割り当てが来ますので、僧侶個人に対してのものではありません。
また、収納証は寺院として積み立てられていきますので、所属する住職僧侶すべてに関わってきます。
所属寺の住職に相談の上、申請することが望ましいと思います。
相続講金は毎年かかさず納めております。
うちはありがたいことに御門徒の数が多いため、年間500万円ちかく納めております。
しかし、功賞・旌賞をいただくのにあたって、本山や教区に納めるお金がこれ以上増えることは非常に苦しいです。
功賞・旌賞をいただくとなると、納めるお金の額が増えていくものなのでしょうか?
現在わたしは、上座四等・権大僧都です。学師を拝命しております。
功章旌賞や法要座次に関わって経常費に加味されることは教区によって対応は様々です。
全く影響されないところもあれば、毎年の経常費に加味されるところ、また、教区費として収めるところもあるようです。
法要座次に関しては加味するところは多いようで、寺院の経常費を抑えたいために座次を上げる人があまりいないところもあります。
私の教区はそのようなものはないのですが、以前は上座一等に進席する申請時に教区冥加金として多額の現金が必要で、上げるのを諦めていました。
はじめまして
うちの寺院には講金を40年間にわたって納めたため、本山から畳袈裟倶威儀が贈られました。
この畳袈裟倶威儀ですが、着用には、准本座以上の寺族で20歳以上のものと書かれています。
わたしは20以上で准本座以上ですが、まだ教師資格が補任されておりません。畳袈裟白威儀は准上座の共通衣体、倶威儀は上座の出願衣体だったと記憶しています。
この畳袈裟倶威儀は私が依用してもいいのでしょうか?ご意見よろしくお願いします
こんにちは、はじめまして。
完納40年の畳袈裟は准本座以上の寺族で20歳以上であれば着用できます。
教師がなくても、上座でなくても、着用できます。
他の一般的な畳袈裟は白威儀は準上座以上相当で着用できます。
無金倶威儀畳袈裟は上座以上相当で着用できます。
(金入り)畳袈裟倶威儀は上座三等以上で出願し許状が必要です。
御回答ありがとうございます。
教師陞補の研修会はどこで行われているのでしょうか?
教務所に確認したらわかりますか?
研修会は教区ごとに開催され、
教師陞補対象の研修会はその中で定められています。
教区を越えての参加も可能だと思いますので、
受講される研修会が開催される教区の教務所にお問い合わせ下さい。
ご回答ありがとうございます。
さっそく教務所に確認したいと思います。
御荘厳についてもうかがいたく思います。
現在、私の所属している寺院では、法要で登高座がある場合のみ礼盤一式を設置いたします。平常時は礼盤一式は後ろに引いてあります。
先日、教区内の大寺院にお参りさせていただいた時に平常時でも礼盤(礼盤・向卓・脇卓・持蓮華・磬台)が出ておりました。向卓には浄土三部経の巻本が置いておりました。
平常時でも礼盤は設置しておくものなのでしょうか?それとも必要に応じて設置するものなのでしょうか?
ご回答よろしくお願いいたします。
礼盤一式の件ですが、
当派の本山は両堂形式で荘厳も作法もそれぞれで違うことがあります。
礼盤についても、阿弥陀堂は常時荘厳されていますが、
御影堂は登壇のある時のみです。
阿弥陀仏の安置されているお堂とみれば常時荘厳するのでしょうが、
報恩講で登壇が行われる御影堂の作法とみれば、登壇の時に荘厳するということになると思います。
各寺の本堂の状況もあるでしょうが、前卓を須弥壇に付けないと礼盤一式を荘厳できないところの方が多いのと思います。
毎日のお給仕のことを考えると、平時はお荘厳していないというのが実情ではないでしょうか?
間違って投稿してしまいました。
御回答ありがとうございます。
所属の寺院は、須弥壇に前卓をつけなくても礼盤を設置できるので、常設を提案してみようと思います。
また所属の寺院は、向畳を設置しております。御讃卓(上人卓)も二脚あります。巡讃卓は六脚常設しております。
御讃卓は常設しておりません。報恩講などだけ設置しております。うちのような寺院の場合、常設したほうがいいのでしょうか?
御門首、御連枝ともに来寺されたことがある寺院です。
ご意見よろしくお願いします。
御讃卓の件ですが、
巡讃卓に三帖和讃を平常荘厳されているのでしたら、
向畳のあるお寺で御讃卓を荘厳されていないのは本末転倒のように思います。
巡讃卓を平常荘厳されていないお寺でも御讃卓だけはお荘厳している方が多いと思います。
本山では両堂とも平常荘厳されています。
向畳は本山では門首の御座であり、各寺においては住職の座席であります。
住職が出仕されなくとも常に礼拝讃嘆される姿を表しています。
ちなみに阿弥陀堂で礼盤一式に巻経が荘厳されているのは毎日お経(漢音小経)が上げられるからだそうです。
いつも勉強させていただいております。
大谷派には常の服装として「色服」があると聞きました。読み方は「いろぶく」でしょうか?「しきふく」でしょうか?
研修会で耳にしたのですが、「葉裏色」という色裳付が存在するらしいのですが、どのような位の方に許可されるのでしょうか?
ご回答よろしくお願い足します。
「色服」は「しきふく」とお読みします。
対として、白衣がありますが、こちらは「白服(はくふく)」が正式名称です。
「葉裏色」ですが、「裏柳」または「裏葉柳」とも呼ばれる色です。
お話に出ていた「葉裏色の色裳附」は、恐らく「精好地葉裏色裳附」の事だと思われます。
こちらは「記念衣体」に属し、750回御遠忌及び真宗本廟御修復記念として許可されるものです。
葉裏色はもともと五箇寺に許可されていた寺格衣体です。
寺格の廃止と共に許可されなくなっていましたが、
御遠忌記念衣体として、規定以上の懇志金の完納超過をした寺院の
准上座一等以上の法要座次の僧侶に許可されました。
現在は新たに許可はされていません。
ご回答ありがとうございます。
真読と真々読の違いについて教えてください。
正信偈や漢音阿弥陀経に真読があるのは知っておりますが、真々読というのはどんな時に勤まるのでしょうか?
また、真読との違いや、どのように勤めるのかも教えていただきたいです。
葬儀を執行出来るには どのような資格が必要ですか?
当宗派としては、原則として「大谷派教師資格(住職資格)」を持つ僧侶のみが、
葬儀などの法要執行が認められています。
ただし、得度して僧籍のみの僧侶は、所属寺院の責任により補佐役として法要を許されていることもあります。
何処の寺院にも所属していないフリーの僧侶(私度僧)は、各宗派の資格等の認可は必要ありません。
その場合、法人格もありませんから、所得税法上お布施は個人の営業報酬として課税対象となり、確定申告が必要になります。
法的に問題となるとすれば、宗派名や寺院名を詐称した場合です。
後は、道義的問題でしょうか。