坊さんは税金かからないでしょ
「お坊さんって税金払っていないんでしょ」
これも日頃からよく言われることです。
結論としては、「税金は払っています」
まず、お坊さんの収入というのは、お寺から支払われる給与です。その際、皆さまと同じ税率で「所得税」「住民税」が引かれています。個人として払っていない税金は「固定資産税」です。なぜなら、お寺のある境内地及び建物は、個人所有ではなく宗教法人所有であり、お坊さんはそのお寺の「住み込み管理人」に過ぎないためです。
お寺の税金についてですが、免除されるものと免除されないものがあります。
<免除される税金>
・「法人税」(宗教活動の収入に限る)
・「固定資産税」
・「所得税」(宗教活動の収入に限る)
・「印紙税」(領収書の印紙税のみ)
・「相続税」(寺族以外の寄付・遺贈に限る)
国や都道府県、市区町村では、私たちが健康で文化的な生活を送るために、個人ではできない様々な仕事(公共サービス等)をしています。このような「公共サービス」や「公共施設」を提供するためには、多くの費用が必要になります。その費用をみんなで出し合って負担しているのが「税金」です。
国税庁ホームページより
宗教法人は宗教活動を目的とした「非営利団体」なので、法人税が課せられません。また古来からの伝統・慣習・文化を継承していく役割を持ち、保護し、維持していくことは公益性が認められており、そのためにかかる費用については優遇されているのです。
つまり、多くの公共施設や学校と同様にお寺などの宗教法人には、多くの方・地域に貢献をすることが義務づけられているのです。言い換えれば、お寺などの宗教施設は私利私欲のためにお金儲けをするための施設ではないということが絶対条件となるのです。
<免除されない税金>
上記説明にもあるように宗教活動の一環として認められず、収益事業と見なされたものは、全て課税対象となります。土地や駐車場を貸したり、製造・販売できる品などに関しては公平性の観点から、課税されるものが多いようです。また、相続税についても、寺族個人からの宗教法人への寄付(遺贈)は、寄付者の相続税負担を著しく軽減する目的とみなされ、個人同様に宗教法人に対して相続税を課税する法律があります。
当山を例にしますと、民間霊園として管理している部分は「収益事業」に該当するため、「法人税」「消費税」が課税されています。また、所属僧侶からお預かりした「源泉所得税」「住民税」を納付しています。
更に、過去の判例では、ペット法要のお布施も「収益事業」と見なされたため、会計処理は別に行っております。人以外は宗教行為ではないと言う判例は、悲しく思いますが・・。
あとは、一般企業と同じように「経費」の問題ですね。当然、お寺の経費とお坊さんの家計費は厳格に分けなければなりません。もし、お坊さんの生活で使用するものをお寺の経費で購入した場合、個人の所得(現物支給扱い)と見なし、「源泉徴収漏れ」(個人収入の過小申告)を指摘され、不納付加算税や延滞税といった追徴課税が課せられます。更に収入を計上せずにフトコロに入れてしまえば「業務上横領」の罪となってしまいます。昔から「坊主丸儲け」と言われてしまうのは、本来厳格に会計処理しなければならない部分で、残念なことに曖昧にしてまう方(俗に言うザル勘定)が極一部おられるためです。
当然、曖昧にしていれば税務署が黙っていませんよ。
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