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中陰が三カ月にまたがるといけないのか?

 四十九日の法要が三カ月にまたがると、「三月(みつき)」が「見に着く」を連想させるため、忌み嫌う地方があります。これは実にナンセンスなことで、月の始めに亡くなれば、中陰は2カ月で終わりますが、十日以後であれば、その人の中陰はどうしても3カ月にまたがることは決まったことです。これは語呂あわせによる忌み言葉であって、まったく意味のない作り話(笑い話)です。
 しかしなぜそのような忌み言葉が用いられるようになったのでしょうか。
 「忌み言葉」を辞書で調べてみると、『信仰上の理由や、特定の職業・場面で使用を避ける言葉。不吉な意味の語を連想させる言葉、特に死や病気に関するものが多い。』とあります。死を連想させる言葉には、数字の四があります。ほとんどの病院には四、十四号室というように四のつく病室はありません。
 忌み言葉は、少なくとも千年以上も前から、神事において用いられていたといわれます。特定の神社で伝統的な神事をおこなうとき、例えば仏教用語などは言い替えて表現するように定められていたことが、文献にみえるそうです。古来、忌み言葉は表だって言いはばかれる言葉を別の表現に替える工夫だったのです。

東本願寺「お内仏のお給仕と心得」
門徒もの知り帳(上)より

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